起業は想定外のお金がかかる！？12年の経営ノウハウを生でお届けする「稼女セミナー」解説vol.4

最後はお金の準備に関して。たとえばパパのスーツ、靴、鞄といったものは、当たり前のものとして、最初から家庭の予算の中に組み込まれています。
しかしママが仕事に出ようとした時にブレザーを買おうとすると、「予定外のお金」になってしまっていませんか？

自分がビジネスをするということは、自分にもお金がかかるということです。準備金で仕事に必要なものを買うとか、自分のビジネスの項目で必要な出費は想定していても、自分自身の身なりといったところは抜けがちになります。他にも交際費などもかかります。ビジネスを始めた途端に想定外の出費が重なってしまい、うまくいかないというケースも結構あるので、最初からさまざまな出費を想定しておきましょう。

さらにライフプランのお金バージョンをつくりましょう。女性は特にライフスタイルとビジネスが切り離せません

セミナーの際には、家族の名前を書いて、誰にどんなお金の動きが予想できるかを書き出していただいています。たとえば「パパは60歳で再雇用になってぐっとお給料が下がる」「子どもが大学生になったら、多額のお金がかかる」などです。ビジネスを始める時は事業計画を立てますが、前段階としてぜひ自分のお金のプランを立ててみてください。

お金はスポーツと一緒でルールがあります。たとえばサッカーのルールを知らないでフィールドに立っても戦えないですよね。それと一緒でルールが分からないと、どうしてもお金に関して負けてしまう。お金は有限なので、基本的な感覚値としてのルールは身につけたほうがいいでしょう。ですからお金の勉強をすることをお勧めします。

特に大事なのはリスク分散。仕事をいただく時に、事業全体の売上のうち、同じお客さまからの売上が３割を超えると、急にその仕事がなくなった時に事業の継続が難しくなるともいわれます。それと同じで、お金も一つの方法で一箇所にだけ置いておくと非常に危ない。銀行口座に預けるのか、タンス預金をしておくのか、不動産に変えておくのか、保険にするのか、積み立てるのか。ある程度理解した上で、自分で計画的に分散してお金を持つようにしないと、無駄になってしまうかもしれません。せっかく同じタスクをこなして同じ収入を得ても、 A さんとBさんが５年後に持ってるお金が違うなんてさみしいですよね。だからこそ得たお金は自分の知識を使って大切に運用すべきだと思います。

知識を増やしていって、自分で選べる人になった方がいいでしょう。ビジネスをするのであれば、ある程度知っていて、いくつもの選択肢から自分に合うものを複数選択できる人になるべきだと思います。

よく受講生の皆さんから、「野村さんは何にお金をたくさん使いましたか？」と質問されます。私は人に会うことと、勉強にお金を使いました。

業種によりますが、私の一番の勉強はいろいろな人に会うことだと思うのです。これまでも全国規模のビジネス交流会に積極的に参加して、地域代表などやっていた時期もあります。

そういう所に行くと、予定外の出費はかさみます。しかし人に会って自分の話を聞いてもらう回数が多ければ多いほど当然プレゼンも上手くなっていきますし、人に伝えることが上達すればするほど事業が展開していきます。ですから、人に話す機会をたくさんつくることにお金を使いました。人によってお金の使い方はまったく違います。だからこそ冒頭でお話したように、何にかかるのかは想定した方がいいと思います。

フリーランスや自営業は、自分のスキルの切り売りです。雇用されてる時と違い、意識的に情報を取りに行かない限りは、完全に何も入ってこなくなります。ですから常に知識や経験に対して貪欲になっていかないと、自分に負けてしまう。人と比べる必要はなく、自分のゴールに達することができればOKだと思います。

自分に負けてしまうと、そこで失敗したという結果が残ってしまいます。やはり自分でやるのであれば、第３回のコラムでもお話した「法律を守りましょう」とか「お金の勉強もしましょう」も同様ですが、いつもインプットを心がけて、何でも貪欲に身につけようとする気持ちを持ち続けること。そうでないと10年残れないのは確実でしょう。

起業は決して甘いことではありませんが、自分で事業を行うのは醍醐味があって非常に面白いです。一緒に頑張っていきましょう！